ざっとクスコ市内を見物して廻る。インカを征服すると同時に、徹底的に破壊し尽くしたスペイン人は、土台の立派な石垣はインカの遺産をそのまま利用して、その上にスペイン様式の建築物を建てた。
この石垣は剃刀の刃も入らないほどピッチリと組合わさっていて、インカの石工技術と国力を、そのまま誇っているように思える。但しインカの短かった治世の時代でも、後期になるに連れて段々と粗雑になって来る。徒歩でカテドラル教会の横を抜けて、有名な12角形の石を見に行く途中で、路地の両わきの石垣の作られた時代による出来の違いには驚く。とは言っても日本の城の石垣と比べたら、日本の石垣なんて隙間だらけだ。
12角形の石に付いたのは、夕方でカメラのフラッシュが必要になりそうな頃だった。

石垣が続くクスコの町の何の変哲も無い、路地の一部にそれは在った。「在った」それだけだった。それより路地から表通りまで敷かれた石畳も、全てインカ時代からのものであった事と、真ん中が一番低くなっていて、廃水溝になっていたのが印象に残った。
ホテルの退屈な夜を迎えた。各部屋にはテレビが設置してあって、多くのチャンネルから好きな放送を楽しめる。但しそれはスペイン語が解る場合に当てはまる。
篠田氏は今頃自宅でアルコールの補給をしているはずだろう。
窓から見たクスコの町は、多くの黄色い街路灯と赤茶の屋根によるモノトーンに近い眺めだった。夕食時に国際電話で自宅に掛けようと思ったのだが、30分以上も待たされた挙げ句。結局つながらなかった。どうも私とオペレータとのコミュニケーションがうまくいかなかった様だ。
明日はマチュピチュに向かう。
●ホームへ●